私達の周囲には、外的磁場と内的磁場が存在します。
外的磁場とは私達が求める幸不幸。
内的磁場とは私達に付きまとう運不運です。
私達舞踏家は、幸福感に向かい表現し、不幸感を味付けにします。
しかし向かう私達自身が不運の持ち主ならば、いくら最高の表現をしたとしても、比較対象の世界では、幸運の持ち主には敵いません。
幸運の持ち主は、何をやっても不運の持ち主より、成功することが許されます。
しかしその幸運が長続きするかというと、そうは簡単にはいかないのです。
一斉を風靡した世界チャンピオンが、ある時期を境目に不運に見舞われてしまうことは、よくあることなのです。
ここで確認しておかなければいけないことは、外的磁場の幸不幸は絶対的であり継続的であること。
それに対して内的磁場の運不運は、限定的であり時限的であるということです。
つまり外的磁場の幸不幸と内的磁場の運不運とは、同時進行しているということなのです。
だから幸運な踊り手が不幸を演じたら絵になるのですが、不運な踊り手が不幸を演じたら、シャレにならないということなのです。
もちろん幸運な踊り手が幸福をを演じるのは、至高であるに相違ないのですが。
さて、この外的磁場の幸不幸も内的磁場の運不運も、実は私達の考え方次第で、どうとでもなるものなのです。
しかし外的磁場の幸福は、遥か彼方より引きよせなければならないのに対し、内的磁場の幸運は、「足るを知る」ことが出来なければ逃げて行ってしまいます。
私達日本人は、「身近な幸せと彼方の幸運を」夢見て生きている民族です。
だから理想的な幸福と幸運は、おいそれとは手に入れることは出来ません。
今年はその「幸運」を指導していきたいと思っています。
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