今日スタッフの先生から、このブログを楽しみにしていてくれている生徒さんがいることを教えてもらいました。

とても有り難いことです。

とかく私は文章にすると四角四面の硬い表現になってしまう傾向があるので、最近は教養層にだけ向かって発信するのは控えめにしていたのですが、楽しみにしていてくれる教養層がいてくれることは励みになります。

さて今日の御題ですが、「精神の限界と肉体の限界」について少し書いてみようと思います。

私は昔肉体の範囲内に精神が住んでいました。

だから精神的に自分より高い位置にいる人や肉体的に自分より優れている人を見ると、どうすればそうなれるのかと日夜思いめぐらせていたものです。

それがダンスの世界それも全日本のプロの競技ダンスの世界の一員になり切磋琢磨することをきっかけに、英国留学で世界のトップの人間の踊りを目の当たりにした結果、尋常ではない精神の世界がそこにはころがっていることを発見しました。

つまり「霊主体従」という精神が肉体を引っ張っていく世界を、かいま見たのです。

それまでの私は全日本の中での戦いで「体主霊従」こそが栄光への道であると信じていましたので、これには愕然としました。

だからどうすれば精神性を高めることが出来るのかと、八方手を尽くして、出来る限りのことをやりました。

おかげで精神性は引退後かなりの高みまで来ることが出来たのですが、肉体は衰えるばかり。

絶対に精神世界の高みに肉体を追随させるぞとばかり、肉体の限界を越える修行を試みました。

しかしこれこそが最大の失敗。

肉体こそその「分」を越えてはならなかったのです。

このことを悟ってから私はやっと人付き合いの妙が判るようになりました。

又「人間にとって」何が最高のダンスであるかも提供出来るようになったのです。

人間とは人間の限界の中で限界まで自分を充満させるべきであり、決して突出したり引きこもったりしては生きている価値が無いことを悟らされたのです。

そしてそれとは別に精神性は果てしなく追求していくべきであることも、、、。